普通なお嬢様の極秘恋愛
翔護、今どこで、何をしているの?
無事だよね?

お父様なら居場所、勿論知ってるんだよね?
絶対教えてくれないだろうけど……。

「あ、凛ちゃん……。
もしかしてお迎えじゃない?」

「え?」

花歩ちゃんの声に顔を上げ、その視線を追うと、安達君が店に入ってくるところだった。
足早にやって来たかと思うと、さっとわたしの隣に腰を掛けた。

「凛、帰るぞ」

「え、だってまだ花歩ちゃんとお話を……」

思った以上に早いお迎えにたじろぐ。
まだまだ話したいことは沢山あるのに。

「ダメだ。屋敷の人たちが心配しまくってる。
迎えに行けってうるさくて仕方ない」

安達君は不機嫌そうに足を組んで、髪をかきあげた。
恐る恐る、といった様子で注文を取りに来た店員さんに「いい」と一言。
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