普通なお嬢様の極秘恋愛
……見透かされている。
わたしそんなにわかりやすいかな?
自分では分からない。

現金だけど、頭を撫でられて嬉しくなって、ネガティブな気持ちはどこかへ吹き飛んでいった。

「チッ……。
見せつけてんのかよ」

「安達君、どうどう」

「俺は牛か!」

「あははっ! 猪突猛進!
って、それは猪かぁ!」

「突っ込んでねーし!
猪じゃねーし!
そもそも牛はどうした牛は!!」

隣のベンチからは楽しそうな会話が聞こえる。

「中堂さんや田中さん、それに安達君からも連絡があって……。

凛が部屋に閉じこもってるって知ったよ。
本当はすぐにでも会いに来たかったんだけど、旦那様との約束の手前、なかなか来れなかった。

でも、もう大丈夫だから。
二人に協力してもらって、凛に会いに来たんだ」
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