普通なお嬢様の極秘恋愛
それだけ翔護は真剣に仕事に向き合って、通学を諦めたってことなんだ……!

翔護の行動の全てはわたしのため。
なのにわたしったら……。

「し、翔護、わたしがお父様にお願いして、新しい制服を……」

言いかけたところで、「大丈夫です、お嬢様!」と、田中さんが胸を張った。
ニコニコ顔の田中さん。

「お嬢様、森下君、大丈夫ですよ!
森下君の通学に必要な荷物は、このお屋敷にあります!!」

「え?」
「本当に?!」

わたしと翔護の声が重なった。

「はい。
森下君が出て行った後、使っていた部屋に掃除に入ったのはわたしなのです。

森下君は急いでいて、必要最低限の荷物だけ持って行ったようですね。
荷物が結構残っていました。

通常は処分するのですが、何だか森下君、戻ってくるような気がして……。

わたしの独断で、ダンボールに詰めて、取っておきました。

制服もありましたし、宿題もあったような」

ほら、やっぱり戻ってきた! と、得意げに親指を立てる田中さん。
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