普通なお嬢様の極秘恋愛
「田中さん、冴えてますね!」

「ありがとうございます!
これで凛と一緒に高校に行けます。

……宿題はちょっと、これから頭が痛いけど……」

嬉しそうに笑顔を浮かべながらも、頭を抱えて見せる翔護。

そっか、これで一緒に学校に行けるんだ。
本当、田中さんには感謝の気持ちしかない。

「森下君なら大丈夫よ!

あ、それから……。
こんなこと聞くのもどうかなって思うんだけど、気になって仕方ないから思い切って聞くわね?」

さっきまでの笑顔から、急に神妙な面持ちになる田中さんに、わたしも翔護も首を傾げた。

「荷物の中に、ハロウィンっぽい? 魔女っぽい? 衣装があったんだけど。
あ、ちゃんとそれも取ってあるんだけどね?
もしかして森下君、そういう趣味があったり……?」

……。
凄い誤解だ。

「た、田中さん……」

翔護が引きつった笑顔を浮かべている。
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