普通なお嬢様の極秘恋愛
「うん……、森下君……。
さっきは、ありがとうね?」

「いえ、どういたしまして」

ぎこちない……。

お屋敷でお嬢様とお手伝いさんの関係を続けるのも苦しいけど……。
もしかして学校で、ただの友達を続けるのも、思っていた以上に辛いことなのかも知れない……。

花歩ちゃんは隣で、何とも言えないような表情を浮かべてわたし達を見守っていた。

廊下を3人で、体育館に向かって歩く。

「ああ、いたいた上間さん。
それと森下君」

歩くわたし達に、声がかかる。
さっき教壇で驚きの挨拶をしていた、担任の女先生だ。
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