普通なお嬢様の極秘恋愛
わ……。
いつかそんなこと言われるとは思っていたけど。
バレないなんて思ってたわけでもないけど。

まさかこんなにすぐだなんて……。

わたしはギュッと、拳を膝の上で握った。
また、中学の時みたいになっちゃうのかな……。

「上間さん、大丈夫です。
イチイチそんなこと言われて気にしていては、仕方がありません。

堂々としていれば、良いんです」

声に顔を上げると、俯くわたしを、翔護が心配そうに、でも強い瞳で見つめていた。
励ますように。

「へ~ぇ? お嬢様なんだ? 上間。
ますます魅力的~。

ああ、言われて見ればそんな感じ?
困った顔とか黒髪ロングとか細い体とか?

清楚とか可憐とかって言葉がぴったりだよなぁ」

安達君がわたしの顔を覗き込む。
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