普通なお嬢様の極秘恋愛
翔護の心臓の音が、聞こえる。
落ち着く……。
ああでも、ずっとこうしていたいけど、ダメだ。

わたしは体を起こした。

「いえ、無事でよかったです。
あ、椅子、直しておきます」

翔護はわたしの手を取って立たせてくれて、椅子を元の位置においてくれた。

「わぁ! 素敵!」

「うんうん! 少女漫画のヒーローって感じ!
自然だったよね、上間さんを助ける姿!」

え?

「森下君ってすっごい紳士なんだね?
仲良しの上間さんが羨ましいなぁ!」

「ほんとほんと! 超カッコいい!

あ、それはそうと!
こら、安達君、そんないきなり迫っちゃ、上間さんだって驚くよ?

あんた中学でもそんなことばっかりしてたじゃない?」
< 62 / 428 >

この作品をシェア

pagetop