普通なお嬢様の極秘恋愛

「あいつ、マジうぜー……」

安達君は明るく染められた、男の子にしては長めの髪をかきあげながら、面白くなさそうに呟いた。

「は～い、じゃ、この時間は自己紹介だから。
えっと、隅の席から順にね。
皆、質問あったらしていいわよ？」

じゃ、相田君から。
と、先生が合図をして、自己紹介が始まった。

相田くんの次は安達君。その次は、わたしだ……。
ああ、自己紹介って、何を言えば良いの？
わ、お金持ちなの？　とか、お父様のこととか聞かれたら、どうしよう……。

「はい、相田君ありがと。
次は、ああ。お調子者の安達君」

先生の一言に、くすくすと笑いが起きた。
あ、考えてたら相田君の自己紹介、聞き逃しちゃった……。