普通なお嬢様の極秘恋愛
「初めまして。森下翔護です。
上間さんの番犬です」

翔護……?

さっきの安達君の自己紹介と相まって、クラス内から笑いが怒る。

真顔で番犬って! 番犬だって認めちゃってるし! と。

「2年前にこの町に引っ越してきてから、上間さんには家族ぐるみで良くしてもらっています。

なので、彼女が困っているのを見過ごせません。

安達君、僕が番犬として居る限り、上間さんに勝手させませんから」

翔護は安達君を一瞬ちらりと睨んで、その後わたしに小さく微笑んで席に着いた。

「はーい! 上間さんの番犬だってのは分かったし、付き合ってるわけじゃないってのも分かったんだけど。

彼女は、いますか~?!」

「……いえ、いません」

突然の女子からの質問に、目を見開いて、それから困ったように翔護はそう言った。
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