普通なお嬢様の極秘恋愛
「うん。普段、こういうこと言えないから……。
言えるときに言っとこうって、思って」

お弁当の包みを開けながら、翔護が言う。
わたしも習って、赤い顔で慌ててお弁当を開けた。

「ふふふ、仲良いね。
あ、ねぇ、わたしは知ってるし、今ここに他の人がいないからいいけど、危なかったね」

わたしと翔護のお弁当を交互に見やり、花歩ちゃんが言った。

「え？　何？」

卵焼きを箸でつまみながら、わたしは花歩ちゃんに尋ねた。

「お弁当、中身同じ。
教室で一緒に食べてたら、なんてツッコまれてたか。

万が一に備えて、ちょっと変えた方が良いかも？
教室で食べないといけないときとか、行事のときとか、見られること、あるかもよ？」

家族でもボディーガードでも恋人でもなくて、友達ですって設定なのにお弁当同じって、なんでってなるんじゃないかな？

と、花歩ちゃんは続けた。
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