普通なお嬢様の極秘恋愛
「あ、花歩ちゃん……。
ご、ごめん。
そんなことしてくれなくて大丈夫だから……!」

わたしはハッと前を向きなおして、花歩ちゃんに謝る。
火照った顔を冷ましたくて、水筒のお茶をごくごく喉に流し込んだ。

「そ、そうだ。
凛、弁当食べちゃおう?」

翔護も前を向いて、珍しくあたふたとお弁当を食べ始めた。
いつもの落ちつきはらっている様子からは、想像出来ないほどの慌てぶり。

「ふふっ、2人ともすっごい顔真っ赤。
しかもあたふたしてる」

花歩ちゃんはころころと笑い声をあげながら、わたし達二人を面白そうに見つめた。
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