普通なお嬢様の極秘恋愛
「そうだ、凛。

この部屋に鍵をかけてるから話し声は聞こえないと思うけど……。
万が一窓から覗かれでもしたら大変だから。

さっきみたいなことは、学校ではナシだよ?」

慌ててお弁当を食べ終えて、落ち着きを取り戻した翔護が優しい口調でわたしを窘めた。

そうだった、朝、バレないように気を付けようって話したばかりなのに、わたし……。

お屋敷じゃない、お父様いない、区切った空間で普通に喋れるって、なんだかテンション上がっちゃったかも。

もっともっと、気をつけなくちゃ。

「う、うん、ごめんね?」

「謝ることないよ、気を付けようね。
俺も、気を付けるから」

翔護は本当に、どこまでも優しい。
怒ったりすることって、あるのかな?
ふと、そんなことを思った。

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