普通なお嬢様の極秘恋愛
「上間さん、頭を上げて、で、どこでも良いから座って?
森下君も佐藤さんも」

「あ、はい……」

頭を上げて、適当に席に着く。
翔護はわたしの隣に、花歩ちゃんはわたしの後ろの席に着いた。

「……貴女のお父様が、この学校に、多額の寄付をなさったのよ」

「……えっ?」

「多額の、寄付、ですか……?」

思わず聞き返す。

「ええ、春休みの間にね。
娘が世話になるって……。

あ、その時校長が不在でね? 代わりに教頭と担任のわたしが、突然呼び出されてね。

こんだけ金出してやるから、娘を優遇しろ。
なにか問題があってももみ消せ。
私は世界的ファッションデザイナーだ、そんな私の娘がこんな高校に通うこと、ありがたく思えって」
< 93 / 428 >

この作品をシェア

pagetop