普通なお嬢様の極秘恋愛
竹井先生は、眉間に皺を寄せている。

世話になるからって挨拶には思えなかったわね、凄く高圧的だったわ。

と、その口から小さな呟きが漏れた。

……。
お父様らしいと言うか……。

きっと、お金さえ払えば、なんでもどうにでもなると思っているんだろう。
確かに、あんまり人に聞かれたくはない、奢った言い分。

はぁ……。

暫くお屋敷で姿を見かけていないし、翔護を紹介されて以来、会話もしていない。

家にも寄り付かず、娘の入学を祝うこともなく。
なのに、いらない根回しと態度だけは、しっかりとしているらしい。

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