抹茶まろやか恋の味
5
あの甘くもあり苦くもあった文化祭から四年が経ってしまった。
彼女との約束では三年後だったのだが、僕の『学力』が足りなかったがために、一年長く待たせてしまった。
いや、もしかしたら待っていてはくれないのかも知れない……。
最近の彼女の様子から、そう思ってしまい、やはり落ち込みそうになる。だが、それでも気力を奮い立たせて、一歩一歩力強く『あの場所』を目指す。
京都のとある大学――ここで彼女と再会する。
……つもりだったのだが、校門を越えた途端、大学内の人が多すぎて目的の彼女が見当たらない!
今日は入学式だ――そしてどこもかしこも人・人・人……!
しかもサークルや部活の勧誘をする先輩方も多くいるために、利香を探すどころか前を歩くのも難しい。
「どうやって探せばいいんだ……!」