雨恋~芸能人の君に恋して~
優紀の気持ち①
エキストラで参加した優紀君のドラマが、テレビで流れた。
いつもなら、わざわざ録画しないのに。その日は、リアルタイムで視ながら、しっかり録画した。
私が映るのは後姿ばかりで、全然顔は映らない。
いつもなら自分が映ってないことに落ち込むけど、この日は、自分の姿よりも、優紀君のことばかりを目で追っていた。
照れたように赤くなったり、
少し拗ねたり、
花が咲いたみたいに笑ったり。
そんな優紀君に胸がどきどきして、目が離せなかった。
『そりゃ、意味わかんねーか。琉宇は優紀しか見てなかったもんな』
開の言葉を思い出す。
どきどきする胸に手を当てる。
好きじゃない。
優紀君のこと、好きなんかじゃない。