雨恋~芸能人の君に恋して~
「そっか。じゃあ、もし前田優紀に同じこと言われたら、どう思う?」
心の中で、開とのやり取りを優紀君に変換して想像する。
優紀君に抱きしめられる。
優紀君に「俺だけを見ろ」って言われる。
あの綺麗な目で。
透き通るような柔らかい声で。
優紀君の吐息を感じるくらいに、リアルに想像すると、恥ずかしくて、体中が熱を持ったみたいに熱くなる。
そんな私を見て、
「ほら。もう琉宇の中で、答えは出てるじゃない」
美咲はにっこりと微笑んだ。
「でも」
戸惑う私に、
「でも?本当は分かってるんでしょ?自分の気持ち。ただ琉宇は認めたくないんだよね。前田優紀が好きってこと」
笑顔を引っ込めた美咲は、真面目な顔で私を見つめた。