雨恋~芸能人の君に恋して~
独身の伯母は、大きな会社の社長で、俺を本当の子供みたいに、なに不自由なく育ててくれた。
当時、30代半ばだった綺麗な伯母が、結婚しないで独身を貫いたのは、俺みたいなこぶがいるからだって思って。
早く一人立ちしなきゃ。
これ以上、優しい伯母に迷惑かけないように、自立しなきゃ。
そう思って、18の時に家を出た。
窓辺に立って、空を見上げる。
そこには鮮やかな青い空が広がっていて、
『永遠に降る雨はないから』
君の言葉を、思い出した。
琉宇ちゃん。君の言う通り、雨は止んだよ。
まだ晴天には、ほど遠いけどね。
君が側にいてくれたら、この空みたいに、真っ青な未来が手に入るかな?