雨恋～芸能人の君に恋して～

―side yuki―




女優オーディションの最終選考に、琉宇ちゃんが残った。



その話をマネージャーから聞いて、小さくガッツポーズする。



今回のオーディションには、いくつかの事務者が関わっていて。



琉宇ちゃんが所属する事務所だけじゃなく、俺が所属する事務所も関係していた。



このオーディションの最終選考のゲストとして、俺も参加する。



琉宇ちゃんがエントリーしたって知って、彼女が最後まで残ると信じて、社長にゲスト出演させてほしいと頼み込んだ。



やっぱり君は、ここに来たね。



嬉しくて、わくわくする。



最選考日の前日は、がらにもなく、遠足前の子供みたいに興奮して眠れなかった。







琉宇ちゃんに想いを馳せて眠ると、懐かしい夢を見た。



６年前、彼女と共演したドラマ。



そのドラマに出演するためのオーディションで、琉宇ちゃんに出会った。



最終選考に残ったのは２０人だった。