雨恋~芸能人の君に恋して~
緊張と不安が入り混じる中、ドラマの撮影が始まった。
クランクインした私に、一足早くクランクインしていた優紀君が、「頑張ろうね」って声をかけてくれた。
多くの芸能人が集う場所でも、ひと際目を引く綺麗な顔の優紀君に見惚れていると、
「よろしくな、琉宇」
誰かに、背中をポンと叩かれた。
振り返ると、そこには開が立っていて、思わず後ずさる。
「え?なんで開がいるの?」
「はぁ?お前、マジで言ってんの?出演者リスト見ただろ?」
やや引き気味に驚く私に、開は「はぁー」って溜息を吐いた後、
「マジ、信じらんねー」
本気で拗ねた。
そんな私たちのやり取りを遮るように、かわいらしい声が聞こえた。
「ねぇ、優紀。この人が、相澤さん?」