雨恋~芸能人の君に恋して~
「あっ」
雪に足を取られてふらついた、優紀君の体を支える。
「大丈夫?」
「ありがとう。琉宇ちゃん」
優紀君は弱々しく笑った。
「ねぇ。本当に大丈夫?体、辛いんじゃない?」
絶対おかしい。
そう思って立ち止まり。優紀君に声をかける。
私の言葉に、優紀君が振り返った瞬間、
地響きと共に、大量の雪が崩れ落ちて、私たちの目の前の道が、白い雪で閉ざされた。
スタッフたちは、この雪の向こう側にいて、大声で呼びかけるけど、吹雪の音と、分厚い雪の壁に阻まれて、その声は届かない。
こんな時に限って、スマホをロケバスに置いてきてしまった。
優紀君、スマホ持ってる?
そう聞こうとしたら、優紀君は真っ青な顔で、その場にうずくまってしまった。