雨恋~芸能人の君に恋して~
店内に入って、色鮮やかな食器を眺める。
最近ショッピングに行く暇もなかったから、こうして可愛い食器を見ているだけで、気持ちが癒される。
暫く店内を歩いていると、
「久しぶり、琉宇」
誰かに肩を叩かれた。
振り返ると、そこには開が立っていた。
「買い物か?」
「時間があったから、見てるだけ。開は?」
ここは女の子向けの可愛い小物が中心のお店で、開がここにいるのが不思議だった。
「あ、もしかして彼女へのプレゼントとか?」
以前、開から告白された私は、
優紀君と付き合うことになった後、開にそのことを報告した。
だから、もう。私への気持ちなんかとっくに捨てて、彼女ができたんだろうって思った。
ずっと歌手として、俳優として、芸能界の第一線で活躍する開は、とてもかっこよくて。
きっと、そんな開を好きな女の子はいっぱいいるんだろうな?って思ってた。