雨恋~芸能人の君に恋して~



店内に入って、色鮮やかな食器を眺める。



最近ショッピングに行く暇もなかったから、こうして可愛い食器を見ているだけで、気持ちが癒される。



暫く店内を歩いていると、



「久しぶり、琉宇」



誰かに肩を叩かれた。



振り返ると、そこには開が立っていた。



「買い物か?」



「時間があったから、見てるだけ。開は?」



ここは女の子向けの可愛い小物が中心のお店で、開がここにいるのが不思議だった。



「あ、もしかして彼女へのプレゼントとか?」



以前、開から告白された私は、



優紀君と付き合うことになった後、開にそのことを報告した。



だから、もう。私への気持ちなんかとっくに捨てて、彼女ができたんだろうって思った。



ずっと歌手として、俳優として、芸能界の第一線で活躍する開は、とてもかっこよくて。



きっと、そんな開を好きな女の子はいっぱいいるんだろうな?って思ってた。





< 68 / 94 >

この作品をシェア

pagetop