雨恋~芸能人の君に恋して~
「バカ琉宇!」
私の言葉に、開が両手で私の両頬を摘まんだ。
その手の力が、いつもより強くて、
「痛いって!」
開の手を振り払う。
赤くなった私の頬を見ても、謝るどころか、ますます不機嫌になった開は、
「言っとくけど俺、琉宇のこと諦めてねーから」
燃えるような目で私を見つめた。
「ごめん」
開の周辺には、女の子なんかたくさんいて。
私なんかより、美人でスタイルの良い子なんていっぱいいて、
開はモテそうだから、とっくに私への気持なんか忘れてると思ってた。
こんなに本気で、私を好きだなんて知らなかった。
「本当に、ごめんなさい」
無神経なことを言ってしまったと、反省する。
しゅんとした私に、開は、
「悪いと思ったら、俺の買い物に付き合え」
そう言って、私の手をギュッと握った。