雨恋~芸能人の君に恋して~



近寄りがたい、華やかなオーラ。



彼が纏う、鮮やかに澄んだ空気。



綺麗な彼の笑顔が直視できなくて、俯いたまま答える。



「久しぶり……です」



昔はタメで話してたけど、今じゃ主役とエキストラ。



立場の違いをわきまえて敬語で話すと、優紀君は怪訝な顔をした。



「どうしたの?あ、もしかして俺のこと忘れちゃった?ほら以前、ドラマで一緒だった…」



「覚えてます」



彼の言葉を遮るように答える。



「覚えています。分からないわけ、ないじゃないですか!」



相澤琉宇の名前は風化して消えても、



優紀くんの名前は風化するどころか、ますます光り輝いて、日本中に知れ渡ってる。



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