雨恋~芸能人の君に恋して~
開は、今までより一段低い声で言った。
『優紀だって、週刊紙のいい加減さは知ってるさ。こんな記事ひとつで琉宇のことを信じられないような、器の小さな男なら。俺は遠慮なく、優紀からお前を奪う』
堂々と言い切る開に、怒りを通り越して呆れる。
私は「はぁー」とため息をつくと、
「あの記事のこと、誰かに聞かれても余計なこと言わないでよ!」
私の言葉が、どれだけ開に効果があるか分からないけど、言わないわけにはいかないと、念を押す。
「変なこと言ったら、絶交だから!」
そう言って、電話を切った。
どうか、これ以上。
騒ぎが大きくなりませんように。