雨恋~芸能人の君に恋して~
好きだから
―Side Ruu―




週刊誌に私と開の記事が載った日から、優紀君からの連絡が途絶えた。



優紀君に嫌われた?



そう思って不安になったけど、



頭の中に浮かぶのは、6年前の、あの日のこと。



雨の中、ずぶ濡れで泣いていた優紀君。



『あっち行けよ』って言いながら、その目は行かないでって訴えていた。



今もそうなんじゃないかな?



私の自惚れなんかじゃなく、



本当は、私に側にいてほしいって思ってるんじゃないかな?



けど臆病な私は、また優紀君を傷つけるんじゃなかって怖くて、



自分から会いに行くことも、電話をしようともしなかった。



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