雨恋~芸能人の君に恋して~
優紀君に心を完全に奪われて、ドキドキしっぱなしなのに、
今の彼との、明確な立場の違いに卑屈になっていた私は、
「私みたいなエキストラに、お世辞なんかいらないから」
そう言って、逃げるようにその場を去った。
今の自分と、優紀君が違いすぎて、
優紀くんの存在が、遠すぎて、
冷たい態度をとったけど、
本当は、
優しい声で、
無邪気な笑顔で、
手を伸ばしたら、簡単に触れられる距離にいる優紀君と、もっと話がしたかった。
午後からの撮影には優紀君はいなくて、エキストラだけの撮影。
リハーサルはいなくても、本番はいるかな?とか、
次のシーンは出演するかな?とか、
期待してたけど、結局最後まで優紀君には会えなかった。