なみだドロップ
婚約者……



コンヤクシャ……



Konyakusha……



訳が分からず、私は脳内でパニックを起こした。



「柳さんから見合いの話が来てな、お前をぜひ嫁にもらいたいとの事だ」



ちょっと待って……



「柳家は家柄、資産ともに優良だしお前を安心して任せられる。優之介くん、結菜を頼んだぞ!!」



「そんな、頭をあげてくださいよ」



ちょっと待って……!!



「勝手に話を進めないで下さい!!」



私が大きな声で叫ぶと、お父様は驚いたような顔をした。



「私は、縁談を受けるなんて一言も……」



するとお父様は急にに顔をしかめた。



「まさかお前……断るつもりじゃないよな?」



え……?



あ、そっか……



その時、私は思い出した。



私は、お父様の操り人形だったことを……



お父様の顔には『断るな』という気持ちがしっかり表れていた。



「いえ、その話お受けします……」



私がこの家の中で選択肢を持ったことなんて、1度も無かった。
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