なみだドロップ
道の端にうずくまっていると、私の体に大きな影が覆い被さった。



「あんた、大丈夫か?」



顔を上げると、同い年くらいの男の子が心配そうに見つめていた。



「あ、あの……」



私が戸惑っていると、彼は手を差し出した。



「……ん」



掴まっていいって事かな?



私は遠慮がちにその手を掴んだ。



「わっ……」



すると強く手を引っ張られ、私は勢い余って彼に抱きついてしまった。



ふわっとシャボンか何かの香りがした。



彼の整った顔が近付き、顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。



すると彼は突然、固まっていた私を引き剥がした。



「離れろ、変態」



「へ、変態じゃありません!!これは事故で……」



び、びっくりした……



はぁっ、とため息をつくと彼が私をじっと見ている事に気付いた。



「あ、あの……私に何か付いてます?」



「お前……」
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