なみだドロップ
「田代……結菜?」



彼はなぜか、ひどく驚いた顔をしていた。



「え?あ、はい。そうですけど……」



そう言うや否や、彼はいきなり私を抱きしめた。



「えっ!?あの、ちょっと……!!」



「マジか!!お前ほんとに田代!?」



さっきとは全く違い、とても嬉しそうにしている。



腕力が強くて、彼に抵抗できない。



「ちょっと……離してください!!」



私は彼の足を強く蹴飛ばした。



「痛ってー!!」



さほど痛かったのか、彼は足を押さえてその場にしゃがみこんだ。



「あ、あなたは誰なんですか!?」



両腕を構え、戦闘体勢で尋ねると彼はニコッと笑った。



「俺、柳優之介。小学校ん時一緒だったろ。覚えてないか?」



やなぎ……ゆうのすけ?



止まっていた思考回路は徐々に動き出した。
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