また会いたくなっちゃったんだろ?
.。*゚¨゚*..。о゚゚+。. 先輩の助手席
先輩の金曜日は特別。
仕事柄なのか、とにかく夜遅くまで忙しい。
不良娘の私は例によってあれやこれやと理由をつけて、今日も先輩に会いたくて車を走らせる。
つい数時間前会ったのに…
激しい雨。
大きな駐車場に先輩の車が停まっている。
横に着けると先輩が降りてきて、乗って、と言ってくれた。
「どうしたの?ていうか、なんか面白い服着てるね、なにそれ?」
「これ、部屋着です。」
「ジャッキーチェンかよ!好きだけど。」
先輩カンフー好きなんだ、嬉しいな。
「…で、どうしたの?こんな夜遅く。」
「ええっと…」
「雨も降ってるのに。」
「…何か明確な理由が必要なんでしょうか?」
「昼間にも会えるのに、また会いたくなっちゃったの?」
「(そ、そうだけど…そんなハッキリ?)」
「どうなの?」
「…そうです…お会いしたかったんです…ごめんなさい!」
「仕方ないな…」
そう言って、カーステレオを少し絞ってくれた。
「この音楽、洋楽ですか?」
と聞くと、信じられない、という顔で
「ミスチル知らないの?」
と笑われてしまった。
え?自分でも信じられない…先輩にドキドキし過ぎて桜井さんの声すら分からないなんて。