また会いたくなっちゃったんだろ?
「じゃあ、これ聴いてみな!」
と言ってサーチボタンを押して、新しい曲を聴かせてくれた。
…?
どうしよう、分からない。
「あの、有名な曲なんですか?」
「まぁ聴いてな…ほら、ここから分かるはずだよ。」
365日
「俺の好きな歌。」
ちょっと切ないな…
この歌を聴きながら先輩が思い浮かべてたのは、先輩の特別な誰かなんだよね。
私なんかではなく、先輩に稲光を光らせる誰か大切な女性…
寂しくなってしまったから、手を伸ばして先輩を見つめる。
黙って手を握ってくれた。
「冷てぇな!」
「心があったかいんです。」
「じゃ俺は心が冷てぇのか?」
「あ!ご、ごめんなさい…」
いいよ、
というように強く握り直してくれた。