また会いたくなっちゃったんだろ?



「あの、こないだお話ししててちょっと引っかかってることがあるんですけど。」
「ん?何か変な事言ったっけ?」
「こないだラーメン食べようか?って誘って下さいましたよね。」
「あぁ、そうだよ。」
「私みたいなのが言える事じゃないって重々分かってるんですけど…」
「ん?」
先輩が車のシートにもたれてこっちを見ている。
「私、家に帰ったらもう出るなんてできないのに、あんなこと聞かれて…もしかして白石さんの頭がくるくるパーになっちゃったのかなって…」
「なにぃ?くるくるパーなのはちはやの方だろ!俺は常に冷静だ。」
「はい、ごめんなさい…そうだとは思うんですけど…」
「少なくともだ、ちはやよりかはマトモだぞ。」
「んー…?」
「まぁ、今日明日、じゃなくてもさ、いつか行けたらいいんだ。」
「じゃぁ、楽しみにしてますね。」

先輩の手が助手席まで伸びて来る。
シートが倒される。
「(目つぶれよ!)」
みたいな目でじっと見てる。
にこっとしてみる。
先輩も仕方ないな、と言うように優しい目で私で抱き寄せる。
先輩に包まれて、先輩にキスされて、先輩に優しく…ない感じで背中から胸元に手が…

「…ちっちゃくって…ごめんなさい…」
「……」

何か言ってくれたみたいだけど、それが分からない。
なぜって、先輩の手がどんどん降りていって…
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