さよならの準備




ただの名前だけで胸が締めつけられるような思いをしつつ彼からのLINEを開いた。



『今年もよろしく。
初詣は手短に済ませるつもりだから梨沙とは行けない。』



予想どおりの言葉にふっと息をもらす。

肩の力を抜いて、スマホをテーブルに置く。



どうせこんなことだろうと思っていた。

一緒に初詣なんて、……デートなんて行けるわけがない。



あいつは勉強に必死だから。

頑張ってるから、あたしになんて構う暇はないんだ。



伏せていたスマホを手に取り、おざなりに返信する。



『わかった。』



なんて言葉を返せばいいかわからなくなって、なんとも素っ気ない返事になってしまった。

もう少し取り繕った方がいいだろうと思いつつも、そのまま送信する。



そのままスマホを放り出し、ころんと仰向けに寝転がった。



虚しい想いが胸に広がるのを感じ、天井の模様を視線でなぞる。

照明の光が眩しくて目を細めた。






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