5男1女の兄妹の長い1日 これって禁断の恋?
過保護の兄達
「美侑、ご飯出来たよ」
食事はいつもホテルでシェフをしている啓兄さんが作ってくれる。
啓兄さんはクレラントホテルのフレンチレストランでスーシェフをしていて啓兄さんの作る料理を楽しみに来てくれるお客さんも多い。
雑誌に【イケメンシェフが作る料理は独創的で素晴しい。そしてソースは絶品】と取り上げられてからは今まで以上にお客さんが増えたそうだ。
啓兄さんが仕事で遅い時は出かける前に作って置いてくれたものを兄達が温めてくれるのだ。
ダイニングテーブルにはオムレツとほうれん草のサラダ、オニオンスープそれから搾りたてのオレンジジュース。
ぅわー私の大好きなふわふわなオムレツだぁーでも時間が…
「啓兄さんごめん、ご飯要らない」
いつもならとっくに支度の出来てる時間なのだが今日は寝坊してしまったからまだ支度が出来ていない。
「コラ!美侑、朝食は1日の始まりなんだからちゃんと食べなきゃダメだろ?」と英字新聞を読んでいる航兄さんから声が掛かる。
航兄さんは大きな弁護士事務所に席を置いて居ていくつも大きな顧客を持っているらしい。
航兄さんのスタイリッシュな眼鏡の奥の瞳は鋭く彼の事を知らない人は一言言われるだけで怯んでしまうだろう。
だから最近では威厳が漂うイケメン弁護士とも囁かれてる。
でも本当はとっても優しい人のだ。
「だって航兄さん時間が無いの、まだ支度出来てないし…」
クセッ毛の私は朝起きると大変な事になっているのだ。
あーもぅ毎日毎日この頭にどれだけの時間をかけているのか?
「ほらみぃちゃん座ってご飯食べな髪は俺がセットしてあげるから」
聡兄さんに言われ仕方なく椅子に座ると美容師の聡兄さんが髪を梳かしてくれる。
小さい頃は毎日こうやって髪を梳かしてくれた。
私はお姫様になったような優越感に浸っていた。
『可愛くしてね?』
『お姫様のようにしてあげるよ』
いつも可愛くしてくれるから友達から羨ましがられた。
聡兄さんはモデルや女優さんから指名がかかるほど人気の美容師である。
聡兄さんに髪を切って貰おうとすると数ヶ月先まで予約が埋まっていて、何ヶ月も待たなくては予約が取れないらしい。
だから何人もの女優さんに専属でついて欲しいと頼まれているが本人は全くその気は無いようだ。
『お店に来てくれるお客さんを大切にしないとね』と言っている。
「ふぁーぁーぉはよう」
「璃兄さんおはよう、昨日は遅かったの?」
璃兄さんとは歳も近いから小さい頃はいつも一緒に居た。
友達に『美侑ちゃんのお兄ちゃんかっこいーね』とよく言われて嬉しかった事を覚えている。
璃兄さんは兄弟の中でも一番背が高く小顔でハーフの様な顔をしている。
璃兄さんが着た服は直ぐに完売すると言われるほどファッション界では人気のモデルらしく、最近は雑誌やCMの仕事も多くなって休みが取れないようだ。
海外のファッションショーのオファーも来てるらしいがなぜか断り続けている。
「モデル仲間と飲んでたんだ、啓にぃ俺コーヒーだけで良いよ」と私の隣に座る。
「あー朝食は一日の始まりなんだから食べなきゃいけないんだよ!」
「それは航にぃにみぃーが言われたんだろ?俺は良いの」
「あーずるい」と口を尖らせる。
「そんな事より早く準備しないと遅れるぞ?ほらセット出来たぞ」
聡兄さんは編み込みをして可愛くセットしてくれた。
「聡兄さん有難う、わっー!もうこんな時間だ急がなきゃ!」
「美侑、乗せて行ってあげるから慌てなくていいよ」
亮兄さんはコーヒーカップを片手ににっこり微笑んでくれる。
初めてこの家に来た時も緊張していた私に亮兄さんは優しく微笑んでくれた。
『これから僕達は美侑ちゃんのお兄ちゃんだよ、よろしくね』と右手を出してくれた。
亮兄さんの手はとても温かかった。
パパとママが留守がちだったので、参観日には大学生だった亮兄さんが学校に来てくれた事もあった。
友達からはパパと間違われた事が何度もあった。
『美侑ちゃんのパパ凄く若くて格好いいね?』と言われて亮兄さんは苦笑していた。
亮兄さんは大学教授で生徒達からはとても分かりやすい講義をしてくれると評判なのだ。
それに女生徒からはイケメン教授とも評判で講義では空いてる席がないほどだ。
私が妹だと知ると私に紹介して欲しいと言ってくる人も多い。
「亮兄さん有難う、でもサークルの友達と待ち合わせしてるからもう行くね?」
「コラ待て!サークルの友達は男じゃないだろな?」
上着を着てダイニングルームを出ようとしたら璃兄さんに腕を掴まれた。
「違うって侑子だよ」
侑子は大学に入って最初に出来た友達だ。
『名前に同じ文字が入ってるね』と言って直ぐに仲良くなった。
兄さん達も何度か会った事がある。
「なら良い、みぃー忘れ物!いってらっしゃい」と璃兄さんはチュッと軽いキスをする。
そして順番に聡兄さん、航兄さん、啓兄さん、亮兄さん、皆にいってきますのキスをするのだ。
小さい頃から『いってきます』のキスをしていた。
これは、海外によく行っていたパパの影響なのだが、それが今も変わっていないのだ。
でも今、『いってきます』とキスをした亮兄さんが席を立って声をかける。
「じゃ行こうか?」
「えっ?亮兄さん、今日は午後からの講義でしょ?」
「あぁでも今日はお偉いさんが来るらしいからちょっと顔出す事になってるんだ、だから美侑と一緒に行くよ」
亮兄さんは講義があっても無くてもいつも私を送ってくれるのだ。
「もぅ過保護すぎるって友達に言われる…」
「同じ大学なんだから一緒に行って何が悪い?帰りは聡が迎えに来てくれるよ」
「えっ?帰りは友達と約束が…」
私が渋ると…
「今日はなんの日だ?!」とまたしても航兄さんが英字新聞の横から顔を出し一喝する…
今日はパパとママの命日…
そして私の20回目の誕生日正式には5回目の誕生日なのだ。
「美侑、今日は4年に一度の美侑の誕生日だろ?盛大にお祝いするよ」と啓兄さんは微笑んでくれる。
いつもは2月28日にお祝いしてもらってる。
「4年に一度って…毎年盛大にお祝いしてくれてるじゃない…」
「みぃー何言ってるんだ?2月29日は4年に一度だろ?それに今年は特別だからいつもより盛大にするんだよ!」と璃兄さんが言う。
「じゃ今日は外で食事したい」
「えっ?美侑は俺の作る料理嫌なのか……」
えっ…違う!
啓兄さんはとても悲しいそうな顔をするので私は慌てて否定をする。
「違う違う、啓兄さんの料理はとっても美味しいよ私大好きだよ」
「じゃーどして?」
「だって啓兄さんが作ってくれると一緒に食べれないでしょ?だから外食だと啓兄さんもみんなと一緒に食べれるから…」
「美侑は本当に優しいな?でも、美侑が喜んで食べてくれる方が俺は嬉しいんだよ、それに今日は特別だしな!」
特別って…まぁ4年に一度の誕生日だけど…
「みぃちゃんそぅいう事だ」と聡兄さんが言い肩をぽんと叩く。
「聡兄さん仕事はいいの?」
「勿論休みだよ!みぃちゃんの誕生日だからな?今日は特別講義だけだろ?いつもの南門で待ってるよ」
「はーいじゃ後で」
亮兄さんの車で大学まで送ってもらい大学の地下駐車場へ亮兄さんは車を停める。
「亮兄さん有難う」
降りようとする私の腕を亮兄さんは左手で掴む。
「亮兄さんどうしたの?」
「美侑」
亮兄さんは私を引き寄せ右手で後頭部を支え亮兄さんの唇が私の唇を塞ぐ。
「ん…」
いつもの挨拶のキスとは違っていた。
どうして…苦しくなって唇を少し開けると亮兄さんの舌が入って来た。
私の口内を弄り私のを絡めとるように…
こんなキス初めてだった。
「美侑愛してる…ずっと側に居てくれ」
「亮兄さん…」
目を丸くして驚いてる私に亮兄さんは少し苦笑する。
「美侑、誕生日おめでとう、ごめんなびっくりさせてこれは誕生日プレゼントだよいつも着けてくれると嬉しいな」
箱に付けられたリボンを外し開けると中には腕時計が入っていた。
えっこれ女優さんが着けていた時計、素敵だったけと10万もするから諦めてたのに…
「亮兄さん誕生日プレゼントには高価すぎるよ!」
「今年は特別だから」
「でも…」
「ほら、講義が始まるよ行きなさい」
「うん…」と返事をして車を降り講堂へ向かった。
まだドキドキしてる、こんなんじゃ講義に集中できないよ…
今日の講義はお偉い教授の特別講義で大講義室だったので私にとっては都合が良かった。
講義中ボーとしていて終わったのも侑子に声を掛けられるまで気が付かなかったのである。
「…ゆ、美侑!ねえ美侑!!」
「えっ?なに?」
「もう講義終わってるよ!ボーとしてどうしたの?」
「ううん…何でも無い」
「ねぇ今日合コン行けるよね?」
「ごめん…やっぱり無理だった…ごめんね?」
「やっぱり過保護のお兄さん達に出掛けさせてもらえなかったかー?でも良いよなー?一条教授素敵だもんなー美侑は幸せだよいつもイケメンが5人も側に居るなんて逆ハーレムだよね?本当に羨ましいよ」
「兄妹だもん…」
亮兄さんの事は好きだけど…兄弟なんだよ…
食事はいつもホテルでシェフをしている啓兄さんが作ってくれる。
啓兄さんはクレラントホテルのフレンチレストランでスーシェフをしていて啓兄さんの作る料理を楽しみに来てくれるお客さんも多い。
雑誌に【イケメンシェフが作る料理は独創的で素晴しい。そしてソースは絶品】と取り上げられてからは今まで以上にお客さんが増えたそうだ。
啓兄さんが仕事で遅い時は出かける前に作って置いてくれたものを兄達が温めてくれるのだ。
ダイニングテーブルにはオムレツとほうれん草のサラダ、オニオンスープそれから搾りたてのオレンジジュース。
ぅわー私の大好きなふわふわなオムレツだぁーでも時間が…
「啓兄さんごめん、ご飯要らない」
いつもならとっくに支度の出来てる時間なのだが今日は寝坊してしまったからまだ支度が出来ていない。
「コラ!美侑、朝食は1日の始まりなんだからちゃんと食べなきゃダメだろ?」と英字新聞を読んでいる航兄さんから声が掛かる。
航兄さんは大きな弁護士事務所に席を置いて居ていくつも大きな顧客を持っているらしい。
航兄さんのスタイリッシュな眼鏡の奥の瞳は鋭く彼の事を知らない人は一言言われるだけで怯んでしまうだろう。
だから最近では威厳が漂うイケメン弁護士とも囁かれてる。
でも本当はとっても優しい人のだ。
「だって航兄さん時間が無いの、まだ支度出来てないし…」
クセッ毛の私は朝起きると大変な事になっているのだ。
あーもぅ毎日毎日この頭にどれだけの時間をかけているのか?
「ほらみぃちゃん座ってご飯食べな髪は俺がセットしてあげるから」
聡兄さんに言われ仕方なく椅子に座ると美容師の聡兄さんが髪を梳かしてくれる。
小さい頃は毎日こうやって髪を梳かしてくれた。
私はお姫様になったような優越感に浸っていた。
『可愛くしてね?』
『お姫様のようにしてあげるよ』
いつも可愛くしてくれるから友達から羨ましがられた。
聡兄さんはモデルや女優さんから指名がかかるほど人気の美容師である。
聡兄さんに髪を切って貰おうとすると数ヶ月先まで予約が埋まっていて、何ヶ月も待たなくては予約が取れないらしい。
だから何人もの女優さんに専属でついて欲しいと頼まれているが本人は全くその気は無いようだ。
『お店に来てくれるお客さんを大切にしないとね』と言っている。
「ふぁーぁーぉはよう」
「璃兄さんおはよう、昨日は遅かったの?」
璃兄さんとは歳も近いから小さい頃はいつも一緒に居た。
友達に『美侑ちゃんのお兄ちゃんかっこいーね』とよく言われて嬉しかった事を覚えている。
璃兄さんは兄弟の中でも一番背が高く小顔でハーフの様な顔をしている。
璃兄さんが着た服は直ぐに完売すると言われるほどファッション界では人気のモデルらしく、最近は雑誌やCMの仕事も多くなって休みが取れないようだ。
海外のファッションショーのオファーも来てるらしいがなぜか断り続けている。
「モデル仲間と飲んでたんだ、啓にぃ俺コーヒーだけで良いよ」と私の隣に座る。
「あー朝食は一日の始まりなんだから食べなきゃいけないんだよ!」
「それは航にぃにみぃーが言われたんだろ?俺は良いの」
「あーずるい」と口を尖らせる。
「そんな事より早く準備しないと遅れるぞ?ほらセット出来たぞ」
聡兄さんは編み込みをして可愛くセットしてくれた。
「聡兄さん有難う、わっー!もうこんな時間だ急がなきゃ!」
「美侑、乗せて行ってあげるから慌てなくていいよ」
亮兄さんはコーヒーカップを片手ににっこり微笑んでくれる。
初めてこの家に来た時も緊張していた私に亮兄さんは優しく微笑んでくれた。
『これから僕達は美侑ちゃんのお兄ちゃんだよ、よろしくね』と右手を出してくれた。
亮兄さんの手はとても温かかった。
パパとママが留守がちだったので、参観日には大学生だった亮兄さんが学校に来てくれた事もあった。
友達からはパパと間違われた事が何度もあった。
『美侑ちゃんのパパ凄く若くて格好いいね?』と言われて亮兄さんは苦笑していた。
亮兄さんは大学教授で生徒達からはとても分かりやすい講義をしてくれると評判なのだ。
それに女生徒からはイケメン教授とも評判で講義では空いてる席がないほどだ。
私が妹だと知ると私に紹介して欲しいと言ってくる人も多い。
「亮兄さん有難う、でもサークルの友達と待ち合わせしてるからもう行くね?」
「コラ待て!サークルの友達は男じゃないだろな?」
上着を着てダイニングルームを出ようとしたら璃兄さんに腕を掴まれた。
「違うって侑子だよ」
侑子は大学に入って最初に出来た友達だ。
『名前に同じ文字が入ってるね』と言って直ぐに仲良くなった。
兄さん達も何度か会った事がある。
「なら良い、みぃー忘れ物!いってらっしゃい」と璃兄さんはチュッと軽いキスをする。
そして順番に聡兄さん、航兄さん、啓兄さん、亮兄さん、皆にいってきますのキスをするのだ。
小さい頃から『いってきます』のキスをしていた。
これは、海外によく行っていたパパの影響なのだが、それが今も変わっていないのだ。
でも今、『いってきます』とキスをした亮兄さんが席を立って声をかける。
「じゃ行こうか?」
「えっ?亮兄さん、今日は午後からの講義でしょ?」
「あぁでも今日はお偉いさんが来るらしいからちょっと顔出す事になってるんだ、だから美侑と一緒に行くよ」
亮兄さんは講義があっても無くてもいつも私を送ってくれるのだ。
「もぅ過保護すぎるって友達に言われる…」
「同じ大学なんだから一緒に行って何が悪い?帰りは聡が迎えに来てくれるよ」
「えっ?帰りは友達と約束が…」
私が渋ると…
「今日はなんの日だ?!」とまたしても航兄さんが英字新聞の横から顔を出し一喝する…
今日はパパとママの命日…
そして私の20回目の誕生日正式には5回目の誕生日なのだ。
「美侑、今日は4年に一度の美侑の誕生日だろ?盛大にお祝いするよ」と啓兄さんは微笑んでくれる。
いつもは2月28日にお祝いしてもらってる。
「4年に一度って…毎年盛大にお祝いしてくれてるじゃない…」
「みぃー何言ってるんだ?2月29日は4年に一度だろ?それに今年は特別だからいつもより盛大にするんだよ!」と璃兄さんが言う。
「じゃ今日は外で食事したい」
「えっ?美侑は俺の作る料理嫌なのか……」
えっ…違う!
啓兄さんはとても悲しいそうな顔をするので私は慌てて否定をする。
「違う違う、啓兄さんの料理はとっても美味しいよ私大好きだよ」
「じゃーどして?」
「だって啓兄さんが作ってくれると一緒に食べれないでしょ?だから外食だと啓兄さんもみんなと一緒に食べれるから…」
「美侑は本当に優しいな?でも、美侑が喜んで食べてくれる方が俺は嬉しいんだよ、それに今日は特別だしな!」
特別って…まぁ4年に一度の誕生日だけど…
「みぃちゃんそぅいう事だ」と聡兄さんが言い肩をぽんと叩く。
「聡兄さん仕事はいいの?」
「勿論休みだよ!みぃちゃんの誕生日だからな?今日は特別講義だけだろ?いつもの南門で待ってるよ」
「はーいじゃ後で」
亮兄さんの車で大学まで送ってもらい大学の地下駐車場へ亮兄さんは車を停める。
「亮兄さん有難う」
降りようとする私の腕を亮兄さんは左手で掴む。
「亮兄さんどうしたの?」
「美侑」
亮兄さんは私を引き寄せ右手で後頭部を支え亮兄さんの唇が私の唇を塞ぐ。
「ん…」
いつもの挨拶のキスとは違っていた。
どうして…苦しくなって唇を少し開けると亮兄さんの舌が入って来た。
私の口内を弄り私のを絡めとるように…
こんなキス初めてだった。
「美侑愛してる…ずっと側に居てくれ」
「亮兄さん…」
目を丸くして驚いてる私に亮兄さんは少し苦笑する。
「美侑、誕生日おめでとう、ごめんなびっくりさせてこれは誕生日プレゼントだよいつも着けてくれると嬉しいな」
箱に付けられたリボンを外し開けると中には腕時計が入っていた。
えっこれ女優さんが着けていた時計、素敵だったけと10万もするから諦めてたのに…
「亮兄さん誕生日プレゼントには高価すぎるよ!」
「今年は特別だから」
「でも…」
「ほら、講義が始まるよ行きなさい」
「うん…」と返事をして車を降り講堂へ向かった。
まだドキドキしてる、こんなんじゃ講義に集中できないよ…
今日の講義はお偉い教授の特別講義で大講義室だったので私にとっては都合が良かった。
講義中ボーとしていて終わったのも侑子に声を掛けられるまで気が付かなかったのである。
「…ゆ、美侑!ねえ美侑!!」
「えっ?なに?」
「もう講義終わってるよ!ボーとしてどうしたの?」
「ううん…何でも無い」
「ねぇ今日合コン行けるよね?」
「ごめん…やっぱり無理だった…ごめんね?」
「やっぱり過保護のお兄さん達に出掛けさせてもらえなかったかー?でも良いよなー?一条教授素敵だもんなー美侑は幸せだよいつもイケメンが5人も側に居るなんて逆ハーレムだよね?本当に羨ましいよ」
「兄妹だもん…」
亮兄さんの事は好きだけど…兄弟なんだよ…
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