5男1女の兄妹の長い1日 これって禁断の恋?
モデルに挑戦
それから車に乗り街の中に戻って来ると璃兄さんがビルの壁にもたれるようにして居た。
「聡兄さん、璃兄さんがいるよ」
「本当だ」
聡兄さんは車を路肩に止めると璃兄さんに声を掛けた。
「璃!」
「聡にぃ、みぃーどうしたの?」
「ちょっとドライブ、璃は仕事か?」
「あぁここの上で撮影、みぃー良かったらちょっと見て行かないか?」
撮影なんて見た事無かったから見てみたい。
「聡兄さん見たい」
「分かった少し見て行こう」
聡兄さんは私を降ろすと車を近くのコインパーキングに停めに行ってくれた。
カメラやライトが沢山あってすごいテレビで見た撮影現場と一緒だぁ。
「璃兄さんすごい本当にモデルさんなんだね?」
「なに?みぃーは俺がモデルなの信じてなかったの?」
「違うけど撮影現場見るの初めてだから」
「じゃー折角だから色々見せてあげるよ」
璃兄さんはメイクさんやスタイリストさんのお仕事を説明して見せてくれた。
すると璃兄さんのマネージャーさんが困った顔をして側に寄って来たのである。
「璃、相手がまだ来ないんだ、多分ドタキャンだよ…」
「えーマジかよ…日にちの変更出来るの?」
「いや無理だな…」
璃兄さんもマネージャーさんも凄く困ってる様子だった。
そこにちょっと年配の人から声が掛かった。
「ねぇその子良いじゃんどこの子?」
「監督この子はモデルじゃなくて素人の子なんで」
「へぇ素人の子なんだ?でも良い、良いじゃん!この子で行こう!」
えっ?
璃兄さんと監督さんらしい人が私の事を話してるみたいだけど?
「でも彼女は…」
「俺、この後も仕事入ってて時間が無いんだよね?」
璃兄さんは少し考えているようだった。
「みぃー代わりを頼める?世話になってる人の仕事なんだ」
璃兄さんが困ってる…
「でも私で出来るかな?」
「俺がリードするからみぃーはいつものままで良いよ」
「うん…分かった」
璃兄さんの為に頑張る!
「監督1時間だけ時間下さい支度させますから」
「あぁ分った」
「みぃーおいで」
璃兄さんに手を引かれ連れて来られたのはすぐ近くのブランドショップ。
「ぅわー璃兄さんここ凄く高いよ」
私は小さな声で璃兄さんに言う。
「良いんだよ」
璃兄さんは店内を見渡し白いノースリーブのブラウスと花がらのフレアースカート
「みぃーこれ着てみて」
璃兄さんから渡されフィッティングルームに入り着替えを済ませる。
私に似合ってるだろうか?
不安になりながらもフィッティングルームを出る。
「璃兄さんどぅ?」
「みぃーとっても似合うよ!」
「良かった」
「それからこのジャケットも貰おぅ」と店員さんに言う。
サーモンピンクのジャケット、可愛いけどとても高そう。
「ねぇ璃兄さんこれだけで良いよ高いから…ジャケットは無くても着てたのがあるから」
店員さんに聞こえないように私は小さな声で言う。
「今日はみぃーの20歳の誕生日だから特別だよ」
璃兄さんはカードで支払うとジャケットを私の肩に掛ける。
「ちょっと寒いけど撮影はジャケット無しでも大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ」
撮影現場に戻ると聡兄さんが探していた。
「みぃちゃん探したよ?璃と一緒だったんだ?その服は?」
「聡にぃ、みぃーに撮影に出てもらう事になった」
「なに!?璃どう言うつもりだ美侑は素人だぞ!見せ物にするな!!」
聡兄さんは今まで見た事のない顔で璃兄さんを睨んでいる。
私は今にも璃兄さんを掴みかかろうとする聡兄さんと璃兄さんの間に慌てて入る。
「聡兄さん違うの!監督さんと璃兄さんが困ってたから私がやるって言ったの!」
「ごめん……顔は出さないようにする」
「チッ!仕方ない…だがヘアーメイクは俺がする良いな!」
璃兄さんが謝ると聡兄さんは仕方なく納得してくれた。
「あぁ聡にぃの腕なら間違いない頼むよ」
直ぐにヘアーメイクさんに道具を借り編みこみをしていた髪を下ろしてブローをして貰いそして普段はあまりメイクはしない私だが聡兄さんにメイクもして貰う。
「みぃちゃん出来たよ」
私は鏡の中の自分を見て驚いてしまった。
髪はふんわりと遊ばせ頬にはピンクのチーク、マスカラやアイラインなんて入れた事ないけど入れてると目がぱっちりした見たい。
「これが私…」
「みぃちゃん綺麗だよ、でも俺は素顔のままのみぃちゃんが好きだけどね!さぁ璃の所へ行っておいで」
聡兄さんに肩を叩かれ璃兄さんの待ってる所へ行く。
璃兄さんは私を見ても立ってるだけで何も言ってくれない。
やっぱり私じゃダメかな…
「璃兄さん…」
「……みぃー綺麗だよ」
「本当?私で大丈夫?」
「最高に良い!イメージ通りだよ」
良かった…
「監督お願いします」
「こりゃー良い!彼女イメージ通りだじゃ始めよう!」
監督の声で始まったけど沢山の人に見つめられ緊張する。
「じゃーそっちから泣きながら彼の所まで走って来て」
私は走って璃兄さんの所まで行くけど泣きながらなんて行けない…
何度もやり直しになってしまう…
どうしよう…
私、璃兄さんの足引っ張ってる…
「やっぱり素人じゃダメか?…誰かモデル探せないか?」
監督が苛立っているのが分かる…俯いてる私に璃兄さんはそっと肩を抱き囁く。
「みぃー大丈夫だよちょっと休憩しよう?」
「…璃兄さんごめんね…」
「監督、10分下さい」
「分かった休憩しよう」
「みぃーおいで」
璃兄さんに手を引かれメイクルームに入ると璃兄さんは側に居た人達を外に出して二人っきりになった。
「みぃー目を瞑ってくれるか?」
「えっ?」
「頼む」
私は頷いて目を瞑る。
「みぃーそのまま目を瞑ったまま聞いて欲しい。俺、みぃーがうちに来た時から好きだった。今は兄妹としてじゃなくて一人の女性としてみぃーを愛してる。でも、俺にはみぃーを幸せにする時間がないんだ…兄貴達にもまだ話していないけど、あと数ヶ月の命って医者から言われてる…多分仕事もこれが最後だと思う…ゴメンなこんな事今話す事じゃ無いよな…でも、この仕事をみぃーとの思い出にしたい…愛してる世界中の誰よりも」
璃兄さんはそっと唇を私のに落として啄むようなキスを…
何度も「愛してる」と言いながらそして璃兄さんの舌が入って来て口内を弄る…
璃兄さん…
璃兄さんに愛してると言われても今の自分の気持が分からない。
ただ、今は璃兄さんに死なないで欲しいと願うだけ…
璃兄さんに手を引かれ撮影に戻るけど私には周りの人の声など聞こえない…
ただ璃兄さんを…この瞳に璃兄さんの姿を焼き付けるように見ているだけ…
璃兄さんどこにも行かないで…
璃兄さん…
どうして璃兄さんが……
璃兄さんは私に背を向け私から離れていく。
いや!行かないで璃兄さん…
どこにも行かないで!
璃兄さんは振り返ると手を大きく広げ私に微笑んでくれる。
璃兄さん!
私は涙を流して走って璃兄さんの胸に飛び込んだ。
死なないで…
「カット!OK!!お疲れさん」と監督の声がした。
でも…私は璃兄さんに抱きついたままで居た。
「璃兄さん死なないで…お願い死なないで…」
「みぃーごめん、数ヶ月の命って言うのは嘘なんだ…撮影の為に嘘をついたごめんな」
「嘘?」
「あぁでも、みぃーを愛してるって事は嘘じゃないよ本当に愛してる誰よりも」
璃兄さんは私の頬を流れる涙を掌で拭ってくれた。
「良かった…璃兄さん死なないんだね?良かった」
「ごめんな」
「ううん、それで璃兄さんのお仕事がうまく行ったなら良いよ」
涙でボロボロになったメークをもう一度聡兄さんに直してもらった。
その後璃兄さんもこれで今日は仕事も終わりという事で3人で少し遅い昼食を食べて聡兄さんの車で一緒に家に帰って来た。
「聡兄さん、璃兄さんがいるよ」
「本当だ」
聡兄さんは車を路肩に止めると璃兄さんに声を掛けた。
「璃!」
「聡にぃ、みぃーどうしたの?」
「ちょっとドライブ、璃は仕事か?」
「あぁここの上で撮影、みぃー良かったらちょっと見て行かないか?」
撮影なんて見た事無かったから見てみたい。
「聡兄さん見たい」
「分かった少し見て行こう」
聡兄さんは私を降ろすと車を近くのコインパーキングに停めに行ってくれた。
カメラやライトが沢山あってすごいテレビで見た撮影現場と一緒だぁ。
「璃兄さんすごい本当にモデルさんなんだね?」
「なに?みぃーは俺がモデルなの信じてなかったの?」
「違うけど撮影現場見るの初めてだから」
「じゃー折角だから色々見せてあげるよ」
璃兄さんはメイクさんやスタイリストさんのお仕事を説明して見せてくれた。
すると璃兄さんのマネージャーさんが困った顔をして側に寄って来たのである。
「璃、相手がまだ来ないんだ、多分ドタキャンだよ…」
「えーマジかよ…日にちの変更出来るの?」
「いや無理だな…」
璃兄さんもマネージャーさんも凄く困ってる様子だった。
そこにちょっと年配の人から声が掛かった。
「ねぇその子良いじゃんどこの子?」
「監督この子はモデルじゃなくて素人の子なんで」
「へぇ素人の子なんだ?でも良い、良いじゃん!この子で行こう!」
えっ?
璃兄さんと監督さんらしい人が私の事を話してるみたいだけど?
「でも彼女は…」
「俺、この後も仕事入ってて時間が無いんだよね?」
璃兄さんは少し考えているようだった。
「みぃー代わりを頼める?世話になってる人の仕事なんだ」
璃兄さんが困ってる…
「でも私で出来るかな?」
「俺がリードするからみぃーはいつものままで良いよ」
「うん…分かった」
璃兄さんの為に頑張る!
「監督1時間だけ時間下さい支度させますから」
「あぁ分った」
「みぃーおいで」
璃兄さんに手を引かれ連れて来られたのはすぐ近くのブランドショップ。
「ぅわー璃兄さんここ凄く高いよ」
私は小さな声で璃兄さんに言う。
「良いんだよ」
璃兄さんは店内を見渡し白いノースリーブのブラウスと花がらのフレアースカート
「みぃーこれ着てみて」
璃兄さんから渡されフィッティングルームに入り着替えを済ませる。
私に似合ってるだろうか?
不安になりながらもフィッティングルームを出る。
「璃兄さんどぅ?」
「みぃーとっても似合うよ!」
「良かった」
「それからこのジャケットも貰おぅ」と店員さんに言う。
サーモンピンクのジャケット、可愛いけどとても高そう。
「ねぇ璃兄さんこれだけで良いよ高いから…ジャケットは無くても着てたのがあるから」
店員さんに聞こえないように私は小さな声で言う。
「今日はみぃーの20歳の誕生日だから特別だよ」
璃兄さんはカードで支払うとジャケットを私の肩に掛ける。
「ちょっと寒いけど撮影はジャケット無しでも大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ」
撮影現場に戻ると聡兄さんが探していた。
「みぃちゃん探したよ?璃と一緒だったんだ?その服は?」
「聡にぃ、みぃーに撮影に出てもらう事になった」
「なに!?璃どう言うつもりだ美侑は素人だぞ!見せ物にするな!!」
聡兄さんは今まで見た事のない顔で璃兄さんを睨んでいる。
私は今にも璃兄さんを掴みかかろうとする聡兄さんと璃兄さんの間に慌てて入る。
「聡兄さん違うの!監督さんと璃兄さんが困ってたから私がやるって言ったの!」
「ごめん……顔は出さないようにする」
「チッ!仕方ない…だがヘアーメイクは俺がする良いな!」
璃兄さんが謝ると聡兄さんは仕方なく納得してくれた。
「あぁ聡にぃの腕なら間違いない頼むよ」
直ぐにヘアーメイクさんに道具を借り編みこみをしていた髪を下ろしてブローをして貰いそして普段はあまりメイクはしない私だが聡兄さんにメイクもして貰う。
「みぃちゃん出来たよ」
私は鏡の中の自分を見て驚いてしまった。
髪はふんわりと遊ばせ頬にはピンクのチーク、マスカラやアイラインなんて入れた事ないけど入れてると目がぱっちりした見たい。
「これが私…」
「みぃちゃん綺麗だよ、でも俺は素顔のままのみぃちゃんが好きだけどね!さぁ璃の所へ行っておいで」
聡兄さんに肩を叩かれ璃兄さんの待ってる所へ行く。
璃兄さんは私を見ても立ってるだけで何も言ってくれない。
やっぱり私じゃダメかな…
「璃兄さん…」
「……みぃー綺麗だよ」
「本当?私で大丈夫?」
「最高に良い!イメージ通りだよ」
良かった…
「監督お願いします」
「こりゃー良い!彼女イメージ通りだじゃ始めよう!」
監督の声で始まったけど沢山の人に見つめられ緊張する。
「じゃーそっちから泣きながら彼の所まで走って来て」
私は走って璃兄さんの所まで行くけど泣きながらなんて行けない…
何度もやり直しになってしまう…
どうしよう…
私、璃兄さんの足引っ張ってる…
「やっぱり素人じゃダメか?…誰かモデル探せないか?」
監督が苛立っているのが分かる…俯いてる私に璃兄さんはそっと肩を抱き囁く。
「みぃー大丈夫だよちょっと休憩しよう?」
「…璃兄さんごめんね…」
「監督、10分下さい」
「分かった休憩しよう」
「みぃーおいで」
璃兄さんに手を引かれメイクルームに入ると璃兄さんは側に居た人達を外に出して二人っきりになった。
「みぃー目を瞑ってくれるか?」
「えっ?」
「頼む」
私は頷いて目を瞑る。
「みぃーそのまま目を瞑ったまま聞いて欲しい。俺、みぃーがうちに来た時から好きだった。今は兄妹としてじゃなくて一人の女性としてみぃーを愛してる。でも、俺にはみぃーを幸せにする時間がないんだ…兄貴達にもまだ話していないけど、あと数ヶ月の命って医者から言われてる…多分仕事もこれが最後だと思う…ゴメンなこんな事今話す事じゃ無いよな…でも、この仕事をみぃーとの思い出にしたい…愛してる世界中の誰よりも」
璃兄さんはそっと唇を私のに落として啄むようなキスを…
何度も「愛してる」と言いながらそして璃兄さんの舌が入って来て口内を弄る…
璃兄さん…
璃兄さんに愛してると言われても今の自分の気持が分からない。
ただ、今は璃兄さんに死なないで欲しいと願うだけ…
璃兄さんに手を引かれ撮影に戻るけど私には周りの人の声など聞こえない…
ただ璃兄さんを…この瞳に璃兄さんの姿を焼き付けるように見ているだけ…
璃兄さんどこにも行かないで…
璃兄さん…
どうして璃兄さんが……
璃兄さんは私に背を向け私から離れていく。
いや!行かないで璃兄さん…
どこにも行かないで!
璃兄さんは振り返ると手を大きく広げ私に微笑んでくれる。
璃兄さん!
私は涙を流して走って璃兄さんの胸に飛び込んだ。
死なないで…
「カット!OK!!お疲れさん」と監督の声がした。
でも…私は璃兄さんに抱きついたままで居た。
「璃兄さん死なないで…お願い死なないで…」
「みぃーごめん、数ヶ月の命って言うのは嘘なんだ…撮影の為に嘘をついたごめんな」
「嘘?」
「あぁでも、みぃーを愛してるって事は嘘じゃないよ本当に愛してる誰よりも」
璃兄さんは私の頬を流れる涙を掌で拭ってくれた。
「良かった…璃兄さん死なないんだね?良かった」
「ごめんな」
「ううん、それで璃兄さんのお仕事がうまく行ったなら良いよ」
涙でボロボロになったメークをもう一度聡兄さんに直してもらった。
その後璃兄さんもこれで今日は仕事も終わりという事で3人で少し遅い昼食を食べて聡兄さんの車で一緒に家に帰って来た。