我那覇くんの恋と青春物語~水谷百合編~
修学旅行ということで、彼女はどこか開放的になっていたのだろうか・・・

自由行動を一緒に過ごした日の夜、ホテルの外へと散歩に行くと、そこには今まで見たことのない綺麗な星空が広がっていた。

ホテルの敷地内のプールサイドにあったベンチに座り、二人でしばらく見惚れていた。


「あのときの星空、本当に綺麗だったよね」


彼女は嬉しそうに笑い、空を眺めた。


「星っていいよね・・・何万年も変わらずに、美しく輝き続けられるんだから」


あのときと同じ言葉を、彼女が口にする。



プラネタリウムに行くようになったのは、この言葉を聞いてからだ。



彼女は星が好きというよりは、羨ましいだけと言っていた。

その姿が星空とともに、今でも新鮮に思い出せる。



そして・・・


「あのとき・・・」


彼女は全てを話してくれた。



誰にも言えないような辛く、悲しい過去を・・・
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