我那覇くんの恋と青春物語~水谷百合編~
信じられる人
卒業式が目の前に迫っていると、進路が決まっている者としては普段から退屈な授業がより一層退屈になってくる。
「こら、ボーっとしないの」
いつもの先生が家庭の事情で休みのため、この授業は代わりに真美沢雪(まみさわゆき)先生がしている。
いつもの先生だったら、居眠りをしていても何も怒られないのだが・・・
残り五分がとてもつもなく長く感じたが、チャイムが鳴り響きようやく昼休みが訪れた。
「こらっ」
先程と似たような声がすぐ後ろで響き、思わず背筋が伸びる。
恐る恐る振り返ると、悪戯っぽい笑みで真美沢海(まみさわうみ)が立っていた。
「なんだ、海か」
「お姉ちゃんの授業だからって、油断してたでしょう?」
授業をしていた真美沢先生と海は姉妹で、小さい頃はよく遊んでもらったりしたものだ。
真美沢先生のことを『雪ねえ』と呼んで、本当の姉のような存在だった。
現在は雪ねえが一人暮らしをしていて、海とは別々らしい。
「海、雪ねえに声が似てきたよ」
「そ、そう・・・」
昔は似ていると言われると凄く嬉しそうにしていたが、最近はどこか困ったような表情になることが多い。
喧嘩した様子もなく、ただの気のせいだといいが・・・
「こら、ボーっとしないの」
いつもの先生が家庭の事情で休みのため、この授業は代わりに真美沢雪(まみさわゆき)先生がしている。
いつもの先生だったら、居眠りをしていても何も怒られないのだが・・・
残り五分がとてもつもなく長く感じたが、チャイムが鳴り響きようやく昼休みが訪れた。
「こらっ」
先程と似たような声がすぐ後ろで響き、思わず背筋が伸びる。
恐る恐る振り返ると、悪戯っぽい笑みで真美沢海(まみさわうみ)が立っていた。
「なんだ、海か」
「お姉ちゃんの授業だからって、油断してたでしょう?」
授業をしていた真美沢先生と海は姉妹で、小さい頃はよく遊んでもらったりしたものだ。
真美沢先生のことを『雪ねえ』と呼んで、本当の姉のような存在だった。
現在は雪ねえが一人暮らしをしていて、海とは別々らしい。
「海、雪ねえに声が似てきたよ」
「そ、そう・・・」
昔は似ていると言われると凄く嬉しそうにしていたが、最近はどこか困ったような表情になることが多い。
喧嘩した様子もなく、ただの気のせいだといいが・・・