我那覇くんの恋と青春物語~水谷百合編~
「昔の私みたい・・・ねえ、ここだよね・・・私たちが初めて会ったの」
あの日は遅刻して、午後から授業に出ればいいやと開き直り、この第二体育館でさぼろうと思っていた。
扉を開けると彼女がコートを見つめるように立っていて、そのときに声をかけたのが始まりだった。
彼女はつんとしていて、こちらが何を質問しても一言しか返事がなかった。
そして、名前を聞いたとき「これ以上、私にかまわないで」と突き放された。
そのとき何故か諦められなくて、理由を聞いた・・・
「あなたのこと、信じたくない・・・信じられるかどうか分からない、どうせ裏切られるなら関わりたくない」
「・・・」
「今、思うと、本当にひどいことを言ってごめんなさい」
「もう何度謝られたか分からないよ。あのときは初対面だし、仕方がないよ」
「ありがとう・・・『そうやって、信じられるかどうか分かる前に裏切られるって決めちゃうんだ』。あなたのあのときの言葉、凄く心に響いた」
それからは話しかけても、少しずつ話してくれるようになったのだ。
考えてみると、なんだか偉そうなことを言ってしまった気もするが・・・
「あっ、海から水谷さんに渡してくれって」
「あのときの・・・」
「女子ハンドボール部のエースと女子野球部の主将・・・我が校が誇るスーパーヒロインだね」
「そんな・・・全て・・・あなたのおかげ」
この姿を知らない人が見たら、コート上で躍動する彼女を想像すらできないだろう。
「じゃあ、私は続きをやるけど・・・」
「球拾いは任せてよ!」
彼女は小さく笑い、今日もシュート練習に励む。
あの日は遅刻して、午後から授業に出ればいいやと開き直り、この第二体育館でさぼろうと思っていた。
扉を開けると彼女がコートを見つめるように立っていて、そのときに声をかけたのが始まりだった。
彼女はつんとしていて、こちらが何を質問しても一言しか返事がなかった。
そして、名前を聞いたとき「これ以上、私にかまわないで」と突き放された。
そのとき何故か諦められなくて、理由を聞いた・・・
「あなたのこと、信じたくない・・・信じられるかどうか分からない、どうせ裏切られるなら関わりたくない」
「・・・」
「今、思うと、本当にひどいことを言ってごめんなさい」
「もう何度謝られたか分からないよ。あのときは初対面だし、仕方がないよ」
「ありがとう・・・『そうやって、信じられるかどうか分かる前に裏切られるって決めちゃうんだ』。あなたのあのときの言葉、凄く心に響いた」
それからは話しかけても、少しずつ話してくれるようになったのだ。
考えてみると、なんだか偉そうなことを言ってしまった気もするが・・・
「あっ、海から水谷さんに渡してくれって」
「あのときの・・・」
「女子ハンドボール部のエースと女子野球部の主将・・・我が校が誇るスーパーヒロインだね」
「そんな・・・全て・・・あなたのおかげ」
この姿を知らない人が見たら、コート上で躍動する彼女を想像すらできないだろう。
「じゃあ、私は続きをやるけど・・・」
「球拾いは任せてよ!」
彼女は小さく笑い、今日もシュート練習に励む。