Fight~はじめて恋した君への告白~
代表の人が私にフットワークを教えてくれた。
ここのって、難しいな…………。
「ああ、分かんなかったら、あいつに聞いて?」
そういって、その人が指差したのは……………
俊介くんっっ???!!
「おい!俊介。ちょっとこっち来い。」
ええええええええ!!
ちょちょちょっっ
「はい。」
私の目の前にきたのは、さっきの俊介君で…………。
「陽菜子ちゃんのことよろしく。」
「あ、はい。」
まぁじでええええ?!
代表の人(コーチ)は去っていった。
どどどどどうしよう!!
緊張して固まった私。
すると、
「よろしくな。おれ、橘俊介。」
ひゃー、声までかっこいいや。
「あ、えと私は、井上陽菜子。中2です。………」
「俺も中2。」
同級生なんだ。
………………なんか、嬉しいかも………。
「じゃ、わかんないとこあったら呼んで?
あっちの方いるから。」
私がうなずくと、彼は行ってしまった。
……………………
てか、話しちゃった!!
すっごいかっこいいひとだなぁ……………
いっときすると、5対5が始まった。
もちろんまだ私は、見学中。
俊介くんが参加してた。
一目見ただけで分かる。
彼は、とても上手だった。しなやかで無駄のない動き。
洗練されたボールさばき。
すごかったんだ。
彼だけを目で追ってしまうほどに。
『お疲れ様でしたーー!!』
初めて来た練習会が終わり、
みんな帰りだす。
「陽菜子ちゃん。また来てね?」
「今井さん!!」
「フッ。雪でいいよ。」
「え?あ、ゆ、雪ちゃん。」
私がそういうと、雪ちゃんは、満足そうな顔で笑う。
「じゃ、お疲れ様。バイバイ!!」
「うん!!また。」
雪ちゃんに手を振って私も車に入る。
ふと外に目をやる。
………………俊介くんもう帰ったかな…………。
もう一回話したかったなぁ……………。
もう私の頭の中は俊介くんでいっぱいだった。