涙の恋


目がさめると、ざわざわした教室。

やばい、どうしようノート書いてない。

「あの、滝沢くん、」

「…ん?」

「あの、ノート見せてもらっても、いいですか?」

「…なんの?」

「社会、」

そう言うと椅子に重心をかけて、

前の支えを上げる形で綺麗な机を漁り始めた滝沢くんは、

オレンジのノートを出して、

差し出した。

「ありがとう、」

「……ん。」



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