もう一度、笑ってくれますか?


「…もしもし?」


「今、起きたのか?もう10時だぞ?」


朝からテンションの高い声。

こんなテンションの声の時は、大抵、めんどくさいことを言うに違いない



「切るぞ?」

「ちょ!待てって!今日、何か予定あるのか?」

「あるけど?」



今日は前から約束があった。



「マジか?実は、彼女の友達を紹介しようと思ってるんだけどさ」

「いや、いい」

「でも、聖、ツレの中で30で彼女や嫁がいないのって、お前だけだぞ?」



そう
俺、高城聖(たかじょうこうき)は、30歳で独身

今の時代、珍しいことではない。


前の彼女とは別れて5年になる



「まぁ、紹介しなくていいならしないけど…
とりあえず、12時に駅前のファミレスに来いよ。じゃぁな」




言いたいことだけ言って亮太の電話は切れた。



はぁ…


行かなかったら行かなかったで後からグチグチ言われるのが嫌だから行くことにした。


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