恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
「へぇー、あのイケメン眼鏡が本社にいたんだ。運命を感じない?」

「べつに感じないよ。いつも失礼な物言いだし、私のことなんて子ども扱いばっかり!」

「……」

箸を止めた奈々実が、私をジッと見る。

「なっ…なに?」

「悠里は、大人の女性として見てもらいたいんだ?イケメン眼鏡に」

「…っな!ただ、からかわれてばかりで、悔しいだけだよ」


もう、奈々実ったら何を言い出すの…


「ふーーん、さっきからノロケにしか聞こえないよ。
恋しちゃってるんだね〜」

「へっ?違うよー!あんな面倒くさい男、嫌だよ!」

「その面倒くさいのが恋なのよ。そんな歌があったじゃない!」

「だから、違うってば。松田さんと話すの楽しいけど、恋じゃ……ないと思う」



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