恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
「ったく、こんな可愛い佐伯ちゃんの事を悩ませるなんて、ひどい野郎だな」

ヨシヨシと、頭を撫でてくれる。

ああ。この人をどこかで見たと思ったのは、社長に似てるからだ。

温かいな。安心する…


グイッ…


いきなり横から現れた腕に引き寄せられ、藤枝室長の手が頭から離れる。

ふわりと香るのは、よく知ってる香り…

「藤枝室長。部下だからって、近すぎです」

おやおや…と、藤枝室長は面白そうに笑ってる。

この状況、笑ってるとこじゃないような。





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