恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
「そう?二股野郎に騙されそうになって悩んでるから、慰めてたんだけど?」

私を引き寄せてた腕が緩む。

「二股野郎って?」

あー、もう!
藤枝室長が見てるけど、構わないや…

「松田さん、貴方のことです。
井川さんという恋人がいるのに、私のこと全力で行くとか…わけ分かんない。
もう私に構わないで下さい!」

ブンッ!と、腕を思いっきり振りほどく。

「待て。なぜそこで美希子が出てくる?」

あー、まただ。

「それ。名前呼び。恋人なんですよね?井川さんは。簡易休憩室でも抱き合ってたし」



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