恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
そこまで言って、私は立ち上がる。

ビシッと人差し指を松田さんに向け、宣言する。

「私を落としたかったら、身辺を綺麗さっぱりしてから来て下さい。
それまでは、一切受け付けませんから」

クルッと、松田さんに背を向ける。

「藤枝室長。私そろそろ戻りますね。失礼します」

ニッコリと、藤枝室長だけに微笑む。

コツ、コツ、コツ…


ブッハハハ…!


背後で藤枝室長の大笑いする声が聞こえたけど、知ったことではない。

そうだ。私には時間がない。二股男に構ってる暇はないのよ。

恋なんか、もうしない。

仕事に生きるんだ!
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