恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
「悠里。家に玉ねぎと人参、セロリ、リンゴある?」

へっ?

突然……何?

「あの?玉ねぎと人参と……何でしたっけ?」

「…セロリとリンゴ」

「…しりとり?」

違うよね……驚きながらも、我が家の野菜室を思い浮かべる。

「ありますよ?」

そうか…と満足げな顔。

「ご飯だけ炊いておいて。6時半には行く」

「はい?……分かりました」

な、なんでーーー?

頭の中でパニックになりながら、松田さんのペースに飲まれ、返事をする。

「じゃあな」

コツ、コツ、コツ、、、


「……」

「……」

「あの…佐伯ちゃん?松田課長と付き合ってるの?」

「わ、分かりません…」

なんだか分からないまま、今晩は松田さんと、おうちご飯を食べることになるらしい。


< 144 / 202 >

この作品をシェア

pagetop