恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
♪ ♪ ♪ーー!

食後に、二人並んでハーブティーを飲んでると、私のスマホが着信を告げる。


げっ…

着信音がベートーベンだから、確認しなくても分かる。


♪ ♪ ♪ーー!


「…悠里。スマホがすっげー自己主張してるぞ。出ろ」

「…はい」

『悠里か?お父さんだ。元気にしてるか?』

やっぱり父だ。

「はい。お父さま、とても元気です」

『わしも、すこぶる元気だぞ。わっはっ、はーーーっ』

父の声が大きくて、隣の大樹にも聞こえる。

ニッコリ微笑んで、大樹は書斎の方へ席を外してくれた。
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