恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
「悠里、おまえはどうしたい?

俺は、悠里がそばにいないと、落ち着かない。

目を離すと、悠里はすぐに無茶をする。

香港にいる間、悠里のことが心配で堪らなかった。

殺人的に忙しかったから、メールも出来なくて。悠里が泣いてると思ったから、早く会いたくて仕方なかった」

そう言って、大樹が切なげな表情で私を見つめる。

「私だって、大樹がそばにいないと落ち着かないよ。
大樹のそばに、ずっといたい」


「悠里、結婚しよう。
楽しいことも、つらいことも、悠里と一緒に体験していきたい」

大樹が、この上なく甘い言葉を紡いでくれる。

ああ、今朝、家を出る時は最悪の気分だったのに、今はこんなにも幸せだ。

「……うん」

もう、頷くだけで精一杯だ。

悲しい涙じゃなく、今は幸せすぎて涙が止まらない。

そんな私を大樹が、そっと抱きしめてくれる。

「よろ…よろしく、お願いします」

大樹の腕に力がこもった。


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