恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
あの顔合わせから半年。私たちは、大樹のマンションで、同棲生活をスタートさせた。

大樹の仕事が多忙を極め、

「悠里不足で死ぬ」と言い出した大樹が

『結婚式が済むまでは、娘は渡さん』と息巻いてた父を大樹が説得した。

さすが法人営業成績第1位の男。

私の荷物を、大樹のマンションに運び込み…といっても、物に執着しない私の荷物は少なくて、引っ越しは、あっという間に終わった。


カチャ…


「ただいまー!」

元気よくドアを開ける。

「おかえり」

すぐ隣から返事が聞こえた。

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